腎臓病

腎臓病の人工透析治療

人工透析装置について

腎臓病患者さんの治療法に「人工透析」での治療があります。

人工透析には2種類あり腹膜透析と血液透析があります。

腹膜透析は患者さんの腹膜に透析をする装置を取り付けて新しい薬と交換します。

したがって高度な装置も必要としませんし、多くの患者さんが自宅で自分自身で行っています。

一方の血液を交換する血液透析は、腎臓の働きを人工的に代替えすることで、高度な器具と設備と、そして専門の医師とか資格を持った人が行います。

腎臓が悪化し腎臓そのものが働かなくなったとき、人工透析があるいは腎臓病族移植をします。

現在のところその2つしか方法がないのです。

血液透析を行うには、大掛かりな設備と高度な機器が必要です。

そのために「ダイアライザー」と呼ばれる透析器を使用します。

透析患者さん一人一人に透析装置が必要になってきます。

この装置で血液中の老廃物を排出し、血液中の電解物質と酸性アルカリ性のバランスを正常に保ち、余分な水分を取り除きます。

また、透析液を一定に保つためには、施設内に「透析液供給装置」がどうしても必要です。

本来であれば透析液は患者さんごとに適した透析液が必要なのですが、その実現が難しいのが現状です。

また、停電に備えての電気の供給設備も必要です。

東日本大震災の時の電気の供給も大変でしたが、
その後の計画停電の時も、病院には電気の供給設備があるものの、全ての電気を透析患者さんに回すわけにもいかず対応に苦慮していることが報道されていました。

この他、透析を行うために必要なものはたくさんありますし、どれも高額なものばかりです。

そして、透析を行う透析技術認定士の資格を持っている看護士さんの不足も問題になっているのが現状です。

透析患者さんの生活

現在日本の透析患者さんの数は30万人を超えています。透析の技術も進んでいますし、状況も大きく変化しています。

なかでも腹膜透析の患者さんの生活に対する満足度は高くなっていると言います。

かれこれ30年前、私の母が腹膜透析をしたときは、ほんとうに腹膜透析の初期のころでした。

母が入院していた総合病院には腹膜透析の専門の先生がいなくて、隣の市の総合病院へ通ったりしていました。病院からです。

そんな頃ですから、腹膜透析は自分でももちろん初めてですし、腹膜透析をした人の話を聞いたこともありませんでした。

担当の先生は、「もっと気持ちを強く持って、この腹膜透析をやっていれば旅行にだって行けるんだからね。」と励ましてくださいましたが、
60もだいぶ過ぎた母が、腹膜に穴を空けた体と大量の透析液を抱えての旅行なんて無理だと思いながら聞いていたことでしょう。

しかし、今は違います。現在、腹膜透析を行っている患者さんは、健常者とまるで変わらない生活を送っています。

盲目のイラストレーターの方もいて、「健康な方と変わらない生活をしている姿を見てほしい。」と、公演を頼まれれば行って同じ透析患者さんを励ましていると言います。

その方は透析歴27年という事ですから、私の亡くなった母とほぼ同じころ透析を始めたことになりますから、感慨深いものがあります。

また、現在62歳という女性の方は、3年前から腹膜透析を行うようになり、今はプールでのウオーキングを楽しんだり、友達との旅行を楽しんだり充実した毎日を送っていりそうです。

透析の2つの治療法

人工透析には、腹膜透析と、血液透析がありますが、今はこのどちらかを自分で選択をして決めている患者さんも多いようです。

腹膜透析は自宅や職場でできる在宅医療です。

血液透析はそれなりの医療設備の整った病院へ行かなければできません。

どちらにしても、透析の治療は一生続けなければいけませんから慎重に選ぶ必要があります。

腹膜透析は自宅で行えるというものの血液透析より効果は薄く、1日に行う回数も多いし時間もかかります。

そして、なにより神経質になるほど衛生に気を使わなければなりません。どちらにしても一長一短があります。

私の母が透析をしていたころは、自分で選択をするなんていうことは考えられない時代でしたが、もし、母が今生きていたらどちらを選ぶだろうな、なんて思ってしまいます。

どちらにしても透析は確かに大変です。

私の母も透析をしなければならない体になった自分を嘆いていました。

現代の人だって透析をしなければいけないと先生に言われたらショックをうけるでしょう。

暗い気持ちにもなるでしょうが、現在の透析の技術はめざましく進んで、30年前とはまるで違っています。

普通に、元気に明るい日々を送っている透析患者さんのことを知るのも励みになると思います。

そういう人たちの会に入るのもいいことだと思います。

積極的に治療に向き合っている仲間をみれば「どうして私だけがこんな体に・・・」と、嘆かなくてもすむと思います。

患者さん同士の会話から、透析に関する知識もさらに深まるでしょう。

透析導入期のストレス

初めて透析を受けるようになる患者さんは、透析後の不安からそのストレスは大きなものがあると言います。

透析と言われてから透析を始めるまでは、ショックや、どうしても現実を認めたくない気持ちや混乱、そして不安や落ち込みを多くの透析患者さんが経験していると言います。

しかし、いざ透析が始まってみれば慣れというか、思ったより大変ではなかったと落ち着いていく人が多いようです。

透析は体が楽になれるようにするのですから、楽に生活ができるようになったことを喜ぶ患者さんが多いと言いますし、腹膜透析の患者さんの満足度は高いという現実があります。

しかし、なかには透析をする体になったという現実からいつまでも立ち直れない人もいて、益々ストレスを大きくしながら生活をしている人もいるようです。

そんなストレスは、今後についての不安を大きくさせ、いろいろなことにやる気を失ったり、不眠症になったりと新たな悩みまで抱え込んでしまいます。

そんな不安から日常生活にまで支障が生じてしまったケースさえあります。

「誰にも自分の苦しみはわからない」と、疎外感や孤立感を感じながら暮らしている透析患者さんもいるようです。

透析導入期のストレスはどの患者さんにも少なからずあるようです。

どうしてもストレスが強い場合や長く続く場合は、主治医に相談したり看護士さんに相談してみたらどうでしょうか。

多くの透析患者さんを見ている経験から的確なアドバイスがもらえると思います。

そして聞いてもらえるだけでも気持ちが楽になるのではないでしょうか。

透析が必要と言われたら

「そろそろ透析が必要です」と主治医に言われたら、いずれはそうなるとわかってはいても、大きなショックがあると思います。

目の前が真っ暗になってしまうかもしれません。

しかし、腎臓病で大変だった体が透析で楽になれるのです。

透析は大変でも楽になった体は喜ぶかもしれませんし、感謝するかもしれません。

「透析」をすることであなたの生活は変わりますし、透析が支えてくれるのです。

積極的に生活を楽しんでいる多くの透析患者さんがそれを証明しています。

そして、透析が必要と言われたら、しっかりと先生から説明を聞いたり質問をして納得してから受けましょう。

インフォームドコンセントを受けるのもいいですね。

現在診ていただいている先生以外の医師に相談するなんて失礼かなと思ったり、気を悪くされるかなという気持ちは不要のようです。

かえって、その方が他の医師が同じことを言えば安心という気持ちにもなるといいます。

実は、知り合いに「人工透析を強引にさせられた!」と腹をたてていて、訴訟まで辞さない気持ちでいる人がいます。

被害者意識が高じて、「あの病院はお金儲けのために必要がないのに透析を受けるようにさせてした。」とまで言い出しています。

ほんとうにその人の言う通りなのかどうかはわかりませんが、透析を受けるときにしっかり説明を受けたり質問をしていれば、腹を立てたり苦しんだりしないですんだことでしょう。

そして、その人は他の病院へ行くようになり、新しい病院では色々なことを丁寧に教えてくれるので、さらに「前の病院はおかしい!」という事になっているそうです。

こういうのはストレスになって、さらに病気を悪化させてしまいますから、そんな不幸は避けたいものです。

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