脳梗塞 再発を防ぐ

脳梗塞の再発予防に外科的治療が必要なことも

脳梗塞の再発予防は、抗血栓療法と危険因子の管理が基本ですただし、それだけでは効果が不十分と判断されたときや、再発した人には外科的治療を検討することがあります。

外科的治療法は再発予防に高い効果がある反面、合併症などのリスクを伴うので、誰にでも適用できるものではありません。

また、あくまで再発予防の治療なので、すでに起こった脳梗塞の症状を改善できるものでもありません。

主治医とよく相談して、行うかどうかを決めましょう。

再発予防の外科的治療法には、「頚動脈内膜切除術(CEA)」「ステント留置術」「バイパス手術」という3つの方法があります。

アテロームを取り除く頚動脈内膜切除術

頚動脈の動脈硬化が著しく進行して、血管内腔(血液の通り道)が極端に狭くなっている部分を切除する方法です。

手術は全身麻酔をして、頚動脈の血流を一時的に止めて行います。

頚動脈は左右1本ずつあるので、片側の血流を止めても脳に血液が送られるので心配はありません。

血管壁にたまっているアテローム(粥腫)を取り除くので、粥腫表面に血栓ができることがなくなり、血栓がはがれて脳血管に詰まる心配がなくなります。

この手術が適用されるのは、TIAを起こした人や初回の脳梗塞の発作が軽症で、頚動脈に70%以上の狭窄がある70歳未満の人です。

ステントという器具で動脈を広げる

ステント留置術は、動脈硬化によって狭くなった頚動脈にステントという器具を置いて血管を広げる方法です。

ステントは、金属製で網目状の筒型をした器具です。この器具で血管の狭くなった部分を広げ、その場に残してくることによって再び狭くなるのを防ごうとするものです。

この治療法は、局所麻酔をして、太もものっけ根の動脈からカテーテルを挿入して行います。

頚動脈までカテーテルを誘導し、ステントを狭くなった部分に留置します。

前述したCEAや、バイパス手術に比べて、患者さんの負担は軽い治療法です。

そのため、高齢者や手術がむずかしい患者さんにも行いやすいといえます。

しかしながら、ステント留置術は新しい治療法であるため、長期的な再発予防効果はまだ明らかになっていません。

バイパス手術で詰まった血管を別の血管につなげる

脳の広範囲に血液を送る重要な血管が、動脈硬化によって詰まってしまい、血流が悪くなっているときに行われます。

中大脳動脈などの大きな血管が閉塞したり、高度の狭窄があるときに適用になります。

脳の広範囲の血流が悪くなると、症状が悪化したり、再発の危険が高まります。

これを防ぐには、狭くなったり、詰まりかけている血管を別の血管につないで脳の血流を回復させるバイパス手術が有効とされています。

手術は、全身麻酔で行います。頭蓋骨に孔を開け、外側にある頭皮の血管(浅側頭動脈)と、中大脳動脈の枝の部分をつなぎ合わせます。

バイパス手術の効果は、以前はあまり高くないといわれていましたが、近年では薬物療法と併せて行うことで、高い予防効果が得られる場合もあることがわかってきました。

しかしながら、頭部にメスを入れる大手術なので、誰にでも行えるものではありません。

主治医とよく相談して検討することが大切です。

脳梗塞の症状がなくても最低年に1回は検査を受ける

以上のような再発予防の治療とともに重要なのが、定期検査です。

主治医から検査の時期を指示されたときは、それに従ってください。

たとえ症状がなくても、最低年に1回は検査を受けましょう。

脳と血管の状態を調べ、動脈硬化が進行していないか、新たな梗塞が起こっていないかをチェックします。

検査の結果に異常がなければ、再発予防の治療が順調にできていると判断できます。

逆に、動脈硬化が進行していたり、無症候性脳梗塞が増えているときは治療も含め、予防対策を見直す必要があります。

なお、脳梗塞の定期検査は再発予防だけでなく、早期発見、早期治療にも有効です。

患者さんだけでなく、家族もいっしょに定期的に検査を受けるようにするとよいでしょう。

この場合は、半日か、日帰りで行える脳ドックなどを利用します。

検査項目は左に挙げたものが必須です。

いずれも苦痛がなく、体への負担が軽いものなので、安心して受けてください。

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