脳出血

脳出血と脳疾患

脳疾患の種類

脳出血と言う病名はもしかしたら、皆様にはあまりなじみのないものかもしれません。

では「脳卒中」では如何ですか。

脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、そして一過性虚血脳発作(脳の血管が1時的につまる)など突然起き、突然死につながる可能性のある疾患をまとめた呼び方です。

皆様は、脳の病気と言うと、他に何が思い浮かびますか。

日本脳炎、変異型のクロイツェルト・ヤコブ病、食人習慣のある島ではやったクールー病など感染性の病気もあります。

悪性脳腫瘍、水頭症、パーキンソン病、後程解説させていただく認知症なども脳の病気です。

因みに、
単極性及び双極性うつ、
統合失調症、
神経症、
注意欠陥障害、
アスペルガー症候群などは、
今の研究では脳の血流量が大きく関与しているのではないかと言われていて、とても広い意味では脳の病気だと呼ぶことができます。

これを読んでいる方にお願い申し上げたいのですが、これらの病気は他人事、自分には起きないことだと思わないでください。

脳の病気は比較的頻繁に起きるのです。筆者は左前頭葉の1部が奇形によって萎縮しています。

頭痛が起き、調べてみたら脳の左側が真っ白になっていました。

幸いにも病的なものではなく頭痛は片頭痛とのことでしたが診断が下るまで、筆者は自分の脳みそは傷1つなくおさまっているだろうと信じて疑わなかったのです。

因みに脳の検査の多くは痛いものではありません。

少し費用は掛かりますが、パソコンの前で脳の病気について不安を育てるより、検診を受けることを強くおすすめいたします。

脳と血管

皆様は、日本人の死因を上から順に5つ挙げられますか。

いきなり抹香くさい話で申し訳ありません。

回答を申し上げますと、
上位から順にがん、
心疾患、
誤嚥性肺炎を含む肺炎、
脳疾患、
そして老衰です。

肺炎と脳疾患は統計によって順位は入れ替わりますが危険性が高いことには変わりがありません。

2位の心疾患、3位(もしくは4位)の脳疾患は、主に血管が関わる病気です。

さて、皆様、丁度花粉症の季節(現在2013年3月です)ですね。

鼻をかむ機会が増えるこの季節ですが、皆様鼻をかみすぎて鼻血が出ることはございませんか。

すぐに止まる鼻血は、毛細血管に圧力のかかったことによって起きる物なのであまり心配いりません。

ただ、高血圧の方は動脈性の鼻出血が血管系の病気、
心筋梗塞、
脳梗塞、
脳出血、
くも膜下出血と言った疾患の前触れとして出てしまうことがあると言われています。

また、遺伝性出血性毛細血管拡張症と言って、遺伝的に血管がもろくなる病気の方も大まれですがいらっしゃいます。

この病気でなくても血管の癖は遺伝しやすいと言われていますから、
ご家族に血が止まりづらい(薬剤によるものを除く)どこかにぶつけると、あざが出やすいという特性の人が沢山いる場合は医師に相談したほうがよいかもしれません。

それからもうひとつ。

抗がん剤を使ってがん治療をなさっている方は血小板の数が少なくなっていることがあります。

周囲の方は頭をぶつけないように気を付けて差し上げて下さい。

脳梗塞

「脳軟化症」皆様はこの病名を御存知ですか。

見た瞬間ぎょっとする字面をしていますが、これは脳梗塞の別名なのです。

脳梗塞は小さな血の塊によって血管が詰まって起きる病気です。

何故こんな別名がついたかと申しますと、
血管が詰まるとその先にある脳細胞は血液に乗って運ばれてくるはずの酸素や栄養が来なくなり不要物も捨てられずに死んでしまいます。

死んでしまった脳の細胞は溶けて液状になるので「脳軟化症」と呼ばれるようになったという次第です。

さて、突然ですが、皆様、お水もしくはそれに類する水分を食事以外の方法でどれぐらいの量お飲みになっていますか。

大人が活動するのに必要な水分の量は2リットルです。

中高年の方、特に尿道が短い女性の方は「トイレが近くなる」と言う理由でお水を外で飲まないことが多いのですが、脱水症状の危険性は頻尿のそれとはくらべものになりません。

水分を取らないでいると、血管の柔軟性が失われ、血栓ができやすくなります。

スポーツ選手の突然死が報じられたことがありますが、あれも急激な脱水症状によって血栓が詰まったためだと言われています。

また、ビールや焼酎を「水分補給」と称してがばがば飲む人が夏に出ますが、実はあれは却って大変危険なことなのです。

アルコールやカフェインは強い利尿作用がありますので、結果的に体中の水分が出て行ってしまうことになります。

蜂蜜を溶かした白湯、ほうじ茶等体に負担が無い飲み物で、水分を補うようにしてください。

くも膜下出血と硬膜外血腫

私たちの脳は内側から軟膜、くも膜、硬膜と3つの膜でラッピングされるように保護されています。

いわゆる脳の外側にある組織ですが、くも膜と硬膜はしばしば出血した血液が組織周辺に溜まり、意識障害等が起きる部位です。

くも膜とは、小柱(しょうちゅう)と言う組織の発達がくもの巣を張り巡らせたように見えることからつけられた名称です。

小柱によって脳に接している軟膜とくも膜の間には隙間が形成されています。

これはくも膜下腔と呼ばれますが、脳動脈瘤や脳静脈奇形によって弱くなった血管が破断して、この部位に血液流れ込むことによって起きる病気がくも膜下出血なのです。

男性より女性に多く、通常の脳内出血に比べると、片麻痺などが顕著に見られないことが特徴だとされています。

脳動脈瘤については別の項にて解説させていただきます。

脳静脈奇形は比較的若い人に多く、本来規則性をもって通るはずの静脈がこんがらがってナイダスと言う塊を作り、その部位の血管の強度が損なわれた状態です。

いずれも血圧が上昇し、血管壁がおされることで破断しやすくなり、危険な状態になると言われています。

急性硬膜外血腫はしばしば頭部外傷の後に見られ、血液の塊が脳を圧迫し、組織を壊死させる疾患です。

頭部外傷の後に出来る血腫は他に急性硬膜内血腫、慢性硬膜外血腫などがありますが、
意識障害等の症状が後から出ることもあり、頭を強くうった後しばらくは定期的に脳画像を取る必要があると言われています。

脳動脈瘤とは

脳動脈瘤とはもともと強度が足りない血管が、血流によって押されることによって、こぶ状になった血管奇形の1種です。

こぶ状になった血管は、他の部位よりも破断しやすくなります。

多くの場合、くも膜下出血および出血性脳梗塞の原因疾患となると解説されますが、変異が生じた場所によっては脳内出血につながることがあると言われています。

ごくまれに肥大化し、周辺組織を圧迫することによって、
視覚異常そのほかの症状が出ることもありますが、脳動脈瘤自体は基本的に、痛みやしびれと言った症状を発現させません。

多くの人が、MRI、MRA等脳の画像診断をして自分に脳動脈瘤があるということを知ります。MRAとは、脳の血管をレントゲンの要領で撮影する技法です。

脳動脈瘤が見つかった場合、破裂を防ぐために、外科手術が行われることがあります。

特に有名なものは、動脈瘤の根元をクリップで止めて血流をいかせないクリッピング術、血管から極小のコイルを挿入して、瘤を塞ぐコイル塞栓術などがあります。

頭の手術をするということは「死ぬかもしれない」と言う不安が付きまとう大変なことです。

脳外科の医師はわりとあっさり「じゃ、頭あけましょうか」と言ってくれますが、患者はすぐさまその決断ができる物ではありません。

筆者も開頭手術(脳奇形)をすすめられたことがありますが「はいじゃあ切ります」とはとても言えませんでした。

未だに経過観察中で頭痛が起きるたびにびくびくしています。脳内出血も、くも膜下出血も、起きてしまってからは、大変な状態に陥る疾患です。

信頼できる医師を探して、任せられる日が来るといいですね。

認知症と脳疾患

認知症は、しばしば脳血管性の疾患の後遺症として表れる病気のひとつです。

また、現在進行形で脳出血が発症している場合、

症状のひとつとして認知症様の物忘れ、

幻聴幻覚、

見当識(自分と周囲の状況を把握する能力)障害、

失語、

人格の変容(怒りっぽくなる等)が表に出ることもあります。

また、うつ病の人も認知症とよく似た物忘れをすることもあり、
目で様子を観察できるレベルでは、一体何が原因でその症状、例えば物忘れなどが起きているかは判断が困難です。

脳梗塞、脳出血などの後遺症として発現する認知症は脳血管性認知症と言います。

人にもよりますが、物忘れはあるものの比較的最後まで人格が保たれると言われています。

もし、施設をご利用になる場合は、他の利用者さんとの関係に少し気を配って差し上げて下さい。

アルツハイマー症やレビー小体型の認知症の方は、一体どんな理論の帰結でそういう行動を起こすのか専門家である職員でも「ようわからん」行動をしばしばなさいます。

職員はその方が病気だと分かっているのでにこやかに応対できますが、ご利用者さんは病気の理解をすることはまず難しいのです。

脳血管性認知症の方は、思考の理論の順序が保たれていることも多いので、
そういう行動をとる方に対して強いストレスを感じ、施設での生活を辛いと思ってしまうことがあるのです。

無論、他の認知症の方に罪は有りませんし、職員も関係維持に気を配ります。

しかし、同じ「認知症」だからと言って原因が異なる方をいっしょくたにケアしてしまうのはあまり人間的なケアとは言えないかもしれません。

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