脳出血

脳出血の前兆、症状と原因

一般的な脳出血の症状

実に心苦しいことなのですが、皆様にこれは脳出血の症状だと画一的に申し上げることはできません。

脳と言うのは大変つくりが複雑ですので、出血が起きた部位、出血の量によって脳出血の症状そしてその強度は変化することがあるからです。

また、頭痛、めまい、嘔吐などの症状は他の病気でも起きうるものです。中には風邪などと間違えてしまう人もいます。

この症状が起きたから脳出血、脳出血ではないと素人が判断することは早計で、大変危険なことです。

いきなり具合が悪くなって、症状がどんどん強くなる場合は、どんなものでもすぐに救急車を呼ぶ、救急相談センターに電話するなどなさってください。

上記のことを踏まえたうえで、脳出血が起きた時の症状で特に起りやすいものを列記いたしますと、
頭痛、
めまい、
嘔吐もしくは悪心、
片麻痺、
物の輪郭が妙にぼやける、
気が付かないうちに小水や便を失禁する、
意識がもうろうとする、
話をしても支離滅裂で理論が通らない等です。

頭痛や麻痺、意識障害等が有名になりすぎて見過ごされてしまうことが多いのですが、損傷の部位によっては、幻聴幻覚、妄想(例「嫁が私を殺そうとしている」「隣の人に物を盗まれた」等)が出ることがあります。

認知症と間違われることもありますので注意が必要です。

とにかく、いつもと違っておかしいと思ったら、保険証といつも飲んでいる薬の記録をもって手近の医療機関(医師は基本何科でも診てくれます)に駆け込んでください。

脳出血 頭痛に注意

脳出血の症状のうち、頭痛は大変ポピュラーなものです。

私たちは、普段から冷たいものを食べた時(アイスクリーム頭痛)気圧が変化したとき、女性の場合は生理前後(経行頭痛)等にしばしば頭痛を感じます。

また、片頭痛や緊張型頭痛など慢性的な頭痛をお持ちの方もおられるかもしれませんね。

こういった頭痛は医師と相談のうえ、必要があれば鎮痛薬を服用し、生活態度の改善を行うことによって緩和できると言われています。

また、中には時間がたてば消失するものもあります。気になる方はまず神経内科を受診してみてください。

人によっては鍼灸、漢方、アロマテラピーが有効なこともあります。

しかし、脳出血やくも膜下出血の頭痛は、こういった頭痛とは違い命に関わる頭痛です。

思い当たる原因もないのに突如始まる、徐々に痛みが強くなる。

痛みが強烈で死の恐怖すら感じる、そんな頭痛は大変危険です。

すぐさま周囲の人に助けを求め、救急車を呼んでもらうようにしてください。

今、強烈な頭痛についてお話しましたが、別項「一緒に検診に行きましょう」でお話をした筆者の祖父の場合、前日の訴えは「なんか頭が痛くてのう」と言う程度のものでした。

痛みの強弱はこのように人によって違います。

とにかく、突然頭痛が始まったら、体をあまり動かずに、病院に行くことをお勧めします。

脳出血 嘔吐は危険

脳出血の症状の中で、嘔吐は特に危険な症状のひとつです。

人によってはただ気持ちが悪いという事だけですんでしまう可能性もあるのですが、中には噴水のような吐き方をする方もおられます。

今、筆者は嘔吐がとても危険な症状だと申し上げました。

何故かと言うと、もし嘔吐をした状態で意識を消失した場合、吐瀉物がのどに詰まって窒息したりする可能性があるためです。

そういう意味では嘔吐は頭痛よりも厄介なのです。

また、脳に障害が出ている状態ではのどの筋肉も弛緩してしまい、気道に吐いたものが入り込み肺で炎症を起こす誤嚥性肺炎を起こす可能性が高くなります。

また、感染症の心配もあります。人が吐いたものには「絶対に」素手で触れないでください。

万が一、身近な人が嘔吐し、それを喉に詰まらせた場合、幾つかの応急処置で命を救うことができます。

意識があり、体に力を入れられる場合は、背中叩打法、ハイムリック法などがあります。

ただ、これらは、体を揺さぶる形となっているので、脳出血の方には危険な場合があります。

患者さんを開口させ、ガーゼを巻きつけ交差させた指で中の異物を取り除く指交差法を使った方が良いと言われています。

苦しんだ相手に噛まれる可能性がある場合は誰かに保定をしてもらってください。

また、少々荒っぽい手法ですが、先端を外した掃除機で異物を吸い上げるという手もあります。

何かあった時には意識の確認と気道の確保を必ずなさってください。

また、救護を始めたら病人のそばに必ず付き、必要品の入手等は、他の方にお願いしてください。ひょんなことで気道がせまばって患者さんが呼吸停止してしまう恐れがあるからです。

脳出血 運動障害

今までは持ち上がったものを掴めず取り落す、
顔の片方だけ表情が動かなくなる、
歩行が困難になる、
呂律が回らないと言った症状が出た時は、すぐさま病院に行く手配をしてください。

もし、食事中の場合は、ぼろぼろ食べ物を零す、酷くむせこむ、箸を持てないと言った形で症状が起きるかもしれません。

人によっては尿道口の括約筋が緩んで失禁を起こすこともあると言われています。

運動機能及び嚥下、排泄の障害は、脳出血その他の脳疾患の症状で大変顕著に表れる傾向のあるものです。

患者さんの容態にもよりますが、すぐに処置が行われれば後遺症の軽減ができると言われています。

今、健康な皆様は急に手足が動かなくなるということがどれだけ危険なことかお分かりになりますか。

脳出血ではありませんが筆者は薬の副作用で、顔面の麻痺、手足のまひ、言語の障害と言うパーキンソン様症状を1度だけ経験したことがあります。

丁度道を歩いた時に発現したのですが、折悪く動けなくなったときに信号機が赤になり、車にはねられかけました。

また、これも身内の話で申し訳ないのですが、筆者の父方の祖父は、高所作業中に脳卒中が起き、転落して亡くなっています。

他にも、入浴中に発症して溺死と言うケースや、感電と言った形で、脳疾患の発作が起きたことによる2次被害で亡くなるケースと言うのも本当に多いと言われています。

可能ならば、出来るだけ普段からご自分の健康リスクを考慮し、早期に治療を行ってください。

脳の病気は本当に怖い病気です。ご自分と家族の命をどうか守って差し上げて下さい。

脳出血が起こる原因

脳出血は加齢、食事バランスの偏りによる動脈硬化、高血圧、遺伝的にできると言われている動脈瘤、静脈奇形などです。

動脈瘤と静脈奇形は別項でも取り上げていますので、ご参照ください。

もう少し端的に言うと、血管がもろくなり、切れやすくなることによって脳出血が起こるということになります。

脳出血が発生する切欠となるのは、外傷、揺さぶりによる衝撃、過度の運動、気温変化、体に突然力を入れる(重いものを持つなど)ことなどが挙げられます。

特にワーファリン等血栓を溶かす薬を飲んでいる方は出血が起きると、中々止まらないので、命が危うくなりがちです。

脳出血は夏よりも冬の方が患者数が増える疾患です。

暖房の入った室内と外気温の差が大きいため、急に血圧が上がったり下がったりすることで血管が切れやすくなるのです。

特に浴室は溺死の危険性もあるので、注意をしてください。

対策としては、入浴前30分は浴室の戸をあけ、居間や廊下との気温差を無くす、これは部屋の加湿にもなり、流行性感冒の予防にも有用なことだと言われています。

浴室に暖房機能を整備する、かけ湯を必ずしてから入る、高齢者は湯温が不安定な1番湯に入らない。

入浴前には必ず血圧をはかる等です。

日本人は温泉文化が発達しているため、熱いお風呂が好きな人が多いのですが、熱すぎるお風呂は、心臓ひいては血管に大きな負担をかける原因になります。

更にもうひとつ申し上げますと、お酒を召しあがってから入浴するのは大変危険な自殺行為です。

脳出血 揺さぶられっこ症候群とは

英語の詩として有名なマザーグースには『Rock a bye baby』と言う子守唄があります。

これは木につるしたゆりかごが枝が折れて赤ちゃんが落ちてしまうという大変恐ろしい歌詞のものなのですが、
実は落ちなくても、脳出血で赤ちゃんが亡くなるケースがあることを皆さま御存知ですか。

その名もShaken Baby Syndrome、日本語で揺さぶられっこ症候群です。

実は生まれたての赤ちゃんの脳と言うのは、私達大人の脳の様に頭蓋骨の際までみっちりつまっているわけではありません。

また、頭蓋骨も固く結合をしているわけではなく、骨と骨との間に隙間があります。

この状態で、ゆする等強い衝撃を与えてしまうと、
くも膜下や硬膜外に血の固まりができたり、脳内の血管が損傷してしまったりし、痙攣、最悪の場合、死に至ることがあります。

実は、最近のお若いお母さん、お父さんの中には、子供さんをどのように扱ったらよいのか分からない人が増えていると言われています。

昔は赤ちゃんが大泣きしていると、例え知らない人でも周囲の大人がよってきて泣き止ませてくれたものなのですが、今ではそういうご近所さんはあまり見なくなりました。

育児書には、赤ちゃんのあやし方は書いてあっても、どれぐらいの強度でゆすると危ないのかと言うことは確認できません。

もし、皆様の傍に、1歳半以下のお子さんを抱え危なっかしいあやし方をするお母さんがいたら、軽く声をかけてみてください。

最初は警戒されますが、大体の場合、本人はほとほと困り果てています。いい意味での「おせっかいおばさん」になってくださいね。

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