
血液について知っておきたいこと
赤血球
赤血球は、血球中で最も多く、約96%を占めていて、ヘモグロビン(血色素:Hb)を含んでいます。
赤血球が多く集まると赤く見えることからこの名前がつけられています。
赤血球は骨髄で作られてその寿命は約120日といわれています。
赤血球の役割はヘモグロビンを運搬する事で、役目を終えた赤血球は、 肝臓や脾臓で壊されます。
赤血球の数は、多すぎても少なくても体に異常を引き起こします。増えすぎている場合は、多血症となり、血が流れにくくなり、血管を詰まらせます。減りすぎている場合は貧血となります。
ただ、赤血球の数だけを見るのではなくて、その形態や性状を見ることが重要とされています。
「遺伝性球状赤血球症 」という病気で、子供の頃から長期にわたって苦しんできた人がいますが、あまりない病気だけに、的確な判断が付かずに、適切な治療が行われずに子供の頃から大人になるまで苦しんできたとのことです。
もし、貧血の自覚症状があったら詳細な血液検査をすることを、自分の体験からこの方は勧めています。
白血球の病気にしても、赤血球の病気にしても血液の病気というのは治療も困難な場合があります。
とくに、白血病と違って赤血球の病気は症例が少ないだけに、医師も知識はあっても判断を下すときに非常に迷うそうです。
判断に遅くなるのも結果的に治療の遅れに繋がります。
健康診断などでは血液検査も行いますが、判定結果が正常値内でなかったときは、放置しておくと悪化したり、すでに治療が必要な状態だったりしますので、早めに専門医に診てもらって適切な指示を受けることが必要です。
血管
私たちの健康に大きな影響を及ぼすのが血液です。
その大事な血液を運ぶ役割の血管が丈夫でなければ、スムーズに血液を運んでくれなければ困ります。
血液の輸送路となる血管ですが、心臓は、この血管を通して血液を循環還流させる駆動ポンプといえます。
どういうことかというと、血管は、心臓の左心室から、大動脈として出発して、分岐を繰り返しながら、しだいに細くなり、最後には細動脈を経て毛細血管となります。
その後、毛細血管は細静脈に移りいくつもの合流を繰り返しながら太い静脈となります。最後には、上・下大静脈となって右心房に注ぎ込みます。
私たち人間の体の中の血管の長さは、およそ10万KM、地球2周半もの長さになりますから、この長い血管をどのようにしたら丈夫に保てるのか、それには、血管を丈夫にする生活習慣というのがあります。
まず大事なのは、食生活の改善ですが、一番影響が大きいのが食塩です。
食塩は私たちの体になくてはならないものですが、摂り過ぎると血液内の濃度を高くして、血圧を上昇させます。
通常の血液は、時速25キロ程度の速さで流れているのですが、高血圧になると、粘りのある血液の流れがもっと速くなり、いわば動脈内を土石流が襲っているという状態になるのだそうです。
これでは血管の細胞が傷ついてダメになってしまいます。
ですから、血管を丈夫にしたかったら、高血圧にならないように、土石流に襲われないように塩分を控えなくてはならないのです。
そして、コレステロールが含まれている食品を減らして、ビタミンCやビタミンEを多く摂るように心がけましょう。
ビタミンCは血管の壁を強くしてくれます。
また、海草や果物に多く含まれる水溶性の食物繊維は、体内の塩分を体外へ排泄する働きをしてくれますので、これらの食品も忘れずに摂ることをお勧めします。
白血球
元来が丈夫な私は、健康診断を受けても、細かい数字など見ないで、「オールAだ!やった~!」で終わってしまっているのですが、本当は健康診断でもらった結果のそれぞれの数値も見た方がいいようです。
例えば血液中の白血球の数ですが、白血球の数というのも、人間の健康に大きく影響しています。
検査証明書などに書いてある白血球の基準値は、F3500~9100と、あります。
でも、数値というのは簡単に大きく変わりますから、基準値外でも問題にならない場合は沢山あるようです。
基準値はあくまで基準で、基準値外だからといって『異常』というわけではないようです。
白血球の数が多すぎても、少なすぎても体に症状がでるのですが、ある川崎病に罹ったお子さんの場合は、インフルエンザに罹った後が思わしくなく、風邪だとか、脱水による微熱などと医師に言われ続け、親としては単なる風邪ではないような気がして病院を変えました。
血液や尿・X線などの一般的な検査をしてもらったのですが、初診の問診では、「風邪」や「微熱」というような感じはあったものの、大学病院に来るほどのこともないと言われたそうです。
それでもと、さらに血液検査をした結果、白血球数が1万3千という異常な数値で「お子さんの体の中は火事になっているような状態」と言われたそうです。
鼻水も出ていないし、咳も出ない、喉も赤くないし、ぐったりしているわけでもない。
食べられないわけでもない、そして、肺の写真に異常があるでもない。
しかし、体の内部はとんでもない状態になっている、そして、抗生物質では治らないのです。
毎日のように血を抜かれて検査をして、原因はわからないまでも白血球の数値は下がって9日目には退院できたそうですが、当たり前のように流れている体内の血液が、何かの加減でここまで苦しめるのです。
しかも、2歳の女の子です。
それにしても、「親は我が子の最高の名医」といいますが、医師にも、検査の結果でもわからなかった我が子の異常を見抜いたお父さんに頭が下がります。
血圧
血圧に関してはみなさん関心があり、血圧計を買って自宅で計っている人もいます。
ご存知のように血圧は高すぎても低すぎても困りますし、血圧の異常は大事な血管まで痛めてしまいます。
低血圧の人は、朝がつらくて起きられません。
いつも貧血や虚弱体質、そして外出しただけで体調不良なんていう人もいます。
低血圧だった人も、40歳を過ぎればイヤでも血圧は上がるようです。
私がそうだったのですが、それまで、血圧が少し低目ということだけが唯一私のネックでした。
その低かった血圧が50歳に近くなって正常値に近くなり、「老いて益々健康!」と喜んでいたら、なんのことはない、単なる老化現象とのことでした。
高血圧も低血圧も遺伝すると言われていた時代もありましたが、遺伝ではないようです。
親子など、どうしても同じような生活スタイルになりがちなので、血圧の傾向が似てくるのだそうです。
遺伝ならば仕方がないのですが、生活習慣でなるのですから、自分で健康管理をして、責任をもつべきだと思います。
血圧の数値は簡単に変わります。
病院に行って女性の看護士さんに計ってもらうだけで血圧が上がって計れない男性もいます。
自宅で血圧を計って健康管理をするのもいいですが、簡単に変化する血圧の数値を気にして一喜一憂するのもストレスになって血圧を上げてしまうため、あまりお勧めではないようです。
そして、通常より血圧が高くても低くても、生活に支障がなく過ごしていられるのなら、問題はありません。
よくイベント会場などで血圧測定をしてくれますが、自分では気にしていなかったのに「こんなに低くて具合悪くないですか?」と言われたとたん、ほんとうに具合が悪いような気がしてきた経験があります。
計ってくれた人は心配して言ってくれたのでしょうが、ちょっと迷惑・・。
毛細血管
私たちの体の中には血管があり、そして毛細血管があります。
毛細血管は体中のいたるところに張り巡らされて、全身60兆個ものたくさんの細胞へ酸素や栄養を供給しています。
そして、老廃物を回収する役目もしています。
この毛細血管に血液が流れなくなると、免疫力が低下して病気になりやすく、またウイルスにも感染しやすい体になってしまいます。
普通の血管は厚くて内膜、中膜、外膜の3層からなっています。
血流と血圧に耐えられるように厚くて弾力がありますし、内部の圧が減った場合でもても丸い形が保てるようになっていますが、静脈の血管の壁は薄くて柔らかにできています。
毛細血管の異常を簡単にチエックする方法があります。
やり方は、耳を上下に折り曲げてみてください。
痛みを感じるようでしたら、毛細血管に異常がある可能性が大きいです。
耳にはたくさんの毛細血管が集まっていますから、耳を折り曲げることで痛みを感じる人は、毛細血管に血液が流れていないことが考えられます。
身体中のあらゆる毛細血管で異常が起きている可能性があります。
簡単な方法ですから試してみてください。
また、糖や脂肪の多い血液が毛細血管を変形させます。
毛細血管の変形させる原因には、
【偏った食生活】
【不規則な食事】
【過度なアルコール】
【高脂肪・高カロリーの食事】などが原因としてあげられます。
毛細血管が変形しておこる症状には、血液検査で異常が出るときもありますし、動悸やめまいがするなどの症状が出ることもあります。
その場合は、早めに受診することをお勧めします。
献血
医療が目覚ましく進歩した現代でも、人間の生命を維持するために欠かせない血液は、まだ人工的に造るところまでいっていません。
輸血をしてくれる人に頼らなければなりません。
健康な人でしたら、献血をしてもほとんど身体への影響はありませんが、献血をしてくれる人の、健康を守るため、さまざまな基準を設けられています。
基準には、年齢による制限、体重による制限、献血の間隔の制限などがあります。
年齢による制限は、成分献血で、血栄成分献血の場合、18歳~69歳です。
血小板成分献血の場合は男性18歳~69歳女性18歳~54歳です。
全献血では、200mlの献血の場合は男女とも、16歳~69歳です。
400mlの場合は 男性17歳~69歳で女性は18歳~69歳となっています。
体重にも制限があり、成分献血では、男性45Kg以上・女性40Kg以上です。
全献血の場合は 男女共50Kg以上 となっています。
心配なのは、若い人の献血離れが増えていて、深刻化しているといいます。
10代から20代の献血率は1割にも満たないこの状況は、20年前の半分だそうです。
この原因には、献血バスを使った高校での集団献血が減ったことも原因していると言われています。
若いうちに献血を経験しない人は成人後も献血しない傾向にあるようですから、献血をしない人が益々増えそうです。
厚生労働省でも、若者の献血離れを放置すれば、血液不足が避けられなくなるとして、若年層に向けた情報発信などの対策を立てているようですが、少子化で若い人の数そのものが減っているのですから、血液不足は避けられそうもありません。