椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの治療

自然治癒

腰痛は誰にでも起こりえることです。

重い荷物を持った日や、不自然な態勢を長時間取っていた日などに腰痛が起こってしまったという経験がある方は多いでしょう。

このような腰痛は2、3日の安静で痛みが静まってくることがほとんどです。

腰痛に一番大切なのは安静にしていることです。

椎間板ヘルニアの場合にも、安静によって症状が緩和されることがあります。

実際、椎間板ヘルニアで手術まで行う必要がある患者は全体の20パーセントと言われています。

これらの重傷の椎間板ヘルニアの患者以外は、安静や投薬などの保存的療法がおこなわれます。

これらの治療を長い期間かけてじっくりと行っていくことで、椎間板ヘルニアのつらい痛みが治まっていきます。

自然治癒と聞くと、何も治療をしなくても痛みの根本となる部分が元に戻ると考える方もいますが、椎間板ヘルニアの治癒の場合には手術をしなくとも痛みを感じなくなる状態を指すと考えてよいでしょう。

椎間板ヘルニアは、私たちの背骨の骨と骨の間にある椎間板の部分が変形してしまう病気です。

骨と骨の間の椎間板は、クッションの役割を担っています。

しかし椎間板の中にある髄核が何らかのきかっけで飛び出したり、変形することによって神経根を刺激して痛みを引き起こします。

鎮痛のために投薬、ストレッチや安静を保つことで、痛みが次第に緩和されます。

これは、痛みの原因となっている部分の構造が変化して痛みを感じにくくなるくらいに安定する故と言われています。

治療期間

椎間板ヘルニアには、急性期と亜急性期と呼ばれる期間があります。

急性期は、痛みはじめてから痛みを我慢できるくらいまでになる期間、そして亜急性期は我慢できる痛みが続く期間です。

急性期にまず大切なのは安静と保存療法です。

そして急性期が過ぎても痛みが緩和されない場合には手術などの外科的な処置をとることがあります。

椎間板ヘルニアは、骨と骨の間の椎間板が変形してしまう病気です。

放っておくことで椎間板ヘルニアが治るということはほとんどありません。

しかし私たちの体が、痛みを緩和しようと骨を安定させて痛みが治まることもあります。

痛みが治まるまでにはかなりの時間が必要で、人によっては数か月、または数年かかる場合もあります。

椎間板ヘルニアの治療には焦りは禁物です。

痛みの原因を把握して、必要な時には安静、そして背骨をサポートできる筋肉を付けるための運動や、ストレッチ、姿勢矯正などを根気よく続けていくことが大切です。

椎間板ヘルニアが完璧に治癒されることはない、と聞くと絶望感を感じる方もいるかもしれません。

しかし人間の体はうまくできているもので、私たちの体は自然に痛みとの付き合い方を見つけていってくれます。

良性の椎間板ヘルニアの場合には、特に治療をしなくても3か月程度で激痛が治まることが多いです。

これは6割程度の患者に当てはまります。

もちろん医療機関で鎮痛剤などの処置を受ければもっと症状は軽減されますが、私たちの体には痛みと向き合うだけのポテンシャルが含まれていることを忘れないようにしたいものですね。

手術

椎間板ヘルニアによる痛みは、長く続きます。

椎間板ヘルニアには発症から大きくわけて2つの時期があります。

発症してから腰や下半身の激痛をともなう急性期、そして急性の痛みが次第に収まってくると次に現れるのが亜急性期、慢性期と呼ばれる時期です。

急性期には鎮静剤などの痛みを収める処置が行われます。

その後の慢性期になっても痛みが耐え難く改善が見られない場合には、外科的手術が行われる場合があります。

多くの椎間板ヘルニアの患者の場合には外科的手術を行わなくとも投薬や処置である程度の痛みを抑えることができますので、外科的手術を行う患者は少ないと言われます。

椎間板ヘルニアのための手術には何通りかがあります。

主流と言われているのがLOVE法と呼ばれる手術です。

全身麻酔をかけた上で行われます。

脊髄神経を圧迫して痛みを引き起こしている椎間板の一部を切り取り摘出します。

通常1週間から長くとも3週間程度の入院が必要になります。

レーザーによる手術も多く行われています。

これは手術を伴わない保存療法と外科手術の中間的位置として考えられている施術です。

変形したり膨張したりしている椎間板の中身である髄核にレーザーを照射します。

レーザーによって髄核の容量が減少して、変形して神経を圧迫している椎間板が小さくなり痛みが引きます。

レーザー法は全ての患者に対して有効ではありません。

しかし外科手術と比べ局部麻酔で行え体への負担が少ないことから希望する患者が増えています。

ブロック注射

ブロック注射をいう言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

ブロック注射は椎間板ヘルニアや坐骨神経痛、または帯状疱疹などのひどい痛みを伴う患者に施術します。

ブロック注射はその名のとおり、痛みが伝達する場所を止めてブロックすることによって痛みを緩和する方法です。

これは局所麻酔剤を注射することによって行われます。

ブロック注射は、通常の注射と比べて痛いと考えている方も多いようです。

通常の注射よりは痛みが伴うことが多いようですが、想像よりも痛くなかったと感じる方もいるようです。

人によって痛みの感じ方は異なります。

ブロック注射は局所麻酔薬を注射することで、痛みを緩和し、患部の血流を良くする働きを持っています。

また炎症を抑えたりもします。

ブロック注射は痛みどめといった印象を持っている方も多いようですが、あくまでも対症療法ではなく治療なのです。

ブロック注射を何度か続けることによって、治療が完治することがあります。

ブロック注射で用いられるのは局部麻酔剤です。

局部麻酔剤を局所に麻酔薬を注射することで筋肉を弛緩させて、血流を改善し、炎症を抑えます。

ブロック治療は外来で行われるのが一般的ですので入院の必要がありません。

また全身麻酔の必要がないので体への負担が少ない治療法です。

しかし副作用もあります。注射を行う時に人によっては非常に強い痛みを感じることがあります。

また麻薬薬に対するアレルギーなどが起こることもあります。

施術まえに不安がある場合には医師とよく相談しましょう。

温熱療法

多くの人は、肩が凝ってしまったり体が痛くなったときにゆっくりと温かいお風呂に入ったりして体を温めたという経験があるのではないでしょうか。

体を温めると血流が良くなって、体の痛みや頭痛、腰痛などが改善されます。

また半身浴などを行うと体全体の代謝がよくなりストレスを溜めない体を作ることができるのはよく知られていることですね。

椎間板ヘルニアの治療の一つに温熱療法があります。

この療法も体を温めるという点で私たちが日ごろ行っているケアと同じです。

温熱療法では老廃物を体から取り去り、新陳代謝の促進を期待することができます。

また血液やリンパの流れを改善します。

温熱療法は、ホットバックと呼ばれるバックを使うものや、赤外線照射などが行われます。

ホットバックは80度程度に温めたバックをタオルに包んで痛みのある患部に当てるというものです。

また赤外線照射では赤外線を当てることで体の深部を温めることができますこれらの温熱治療は、温湿布などと併用して行われる場合が多いです。

自宅でも半身浴やサウナなどを行うことで温熱療法ができます。

患者が病院にいる時だけではなく自宅でも治療を行うことができるので自分のペースで行うことができます。

自宅で行う場合には蒸しタオルやお風呂で行うことができます。

高価な医療器具が必要ないことも温熱療法の魅力の一つです。

自宅で温熱療法を行うときには、急に温めずにゆっくりと時間をかけて温めましょう。

全身の代謝を上げることで体全体の健康を獲ることができます。

カイロプラクティック

カイロプラクティックは、昨今多くのクリニックが開院されとてもポピュラーになっています。

腰痛だけではなく、体の異常を感じた時や肩こりまたは寝違えなどの時にもカイロプラクティックの施術は有効だとされています。

またスポーツ選手など体を酷使する職業の人がコンディションを整えるためにカイロプラクティックの施術を受けていることもよく知られています。

カイロプラクティックは、手技治療です。

手技治療とは施術者の手を主に使って患部を治療していくという施術法です。

薬やメスなどは使いません。

マッサージとよく混同されることがありますが、マッサージが基本的にはリラクゼーションです。

マッサージすることによって血行がよくなることがあってもそれは副次的なものです。

カイロプラクティックはそれに反して痛みや変形などの何らかの障害をもった体の骨格矯正などを主とします。

また整体とも基本的に性質が異なります。

整体の基本的な性質は筋肉をほぐすことです。

カイロプラクティックはアメリカで体系化されました。

日本ではまだ体系化が進んでおらず健康保険は適用されません。

健康保険が適用されない故に、治療代が高くなってしまう場合があります。

椎間板ヘルニアの場合には、多くの場合4、5回の通院で症状が良くなります。

一度の通院でかかる治療費はクリニックによって異なりますが、5000円から7000円程度です。

椎間板ヘルニアの治療法は様々あります。

各治療の効果は人によって異なりますので、自分に合った治療法を試しましょう。

鍼灸

椎間板ヘルニアの治療の一つの方法として鍼灸も有効だと言われています。

鍼灸は、ハリを使うので怖い、または痛いなどの印象を持っている方も多いでしょう。

しかし痛みは施術者、または患部によっても異なります。

多くの場合には耐えられない痛みではないと考えられています。

反対に多くの場合には患部がハリで刺激されて、治療中に気持ち良い感覚になることもあります。

鍼灸は、椎間板ヘルニアのみではなくむくみや冷え性、頭痛、肩こり、または生理痛などの症状にも幅広く有効だと考えられています。

鍼灸は中国が発祥の地とされています。東洋医学と呼ばれ、漢方医学と同じ分野です。

経穴と呼ばれる体中にあるツボに細い針を刺します。

細い針が経穴を刺激することによってさまざまな症状を治します。

灸にはもぐさが使われます。

刺したハリの頭の部分にもぐさを付けて灸をしたり、肌に直接もぐさを置いて灸をしたりします。

日本でも長い間鍼灸医療が行われてきました。

鍼灸には誘導作用、転調作用、消化作用、反射作用、防衛作用などの作用があるといわれています。

これらの作用を利用して椎間板ヘルニアの治療を行います。

椎間板ヘルニアの場合には鍼灸によっての完治は難しいと考えられています。

投薬などの他の治療法と並行して鍼灸を行うことが多いようです。

体全体の血流などをよくする効果もあります。

鍼灸が治療として会っているかどうかは信頼のできる医師をよく相談しましょう。

投薬

椎間板ヘルニアには、大きく分けて2つの時期があります。

急激に激痛に襲われる急性期と、その後に訪れる亜急性期です。

多くの椎間板ヘルニアの症状では、激痛に襲われる時期の後に、何とか我慢ができる程度の痛みになる亜急性期があります。

激痛に襲われる急性期に行われる治療はまず、安静治療、注射療法やコルセットやベルトによる治療、そして鎮痛剤療法があります。

これらの治療で日常生活が送れる程度までの回復を目指します。

これらは保存治療と言われます。

投薬の場合には多くは鎮痛剤を処方されます。

鎮痛剤は腰の痛みを取るためのもので、ヘルニアそのものを治すものではありません。

通常は安静療法などと併用して薬が処方されます。

鎮痛剤は、内服薬、坐薬、外用薬などがあります。

外用薬の場合には、温湿布や冷湿布などがあります。

これは患部に貼って使用するものです。

坐薬の場合には、肛門から挿入することになります。

坐薬は内服薬と違い胃が荒れることなく症状に働きかけることができるので、鎮痛剤としてはとても良い薬の形です。

これに反して内服薬の場合には、胃腸が荒れるのを防ぐために整腸剤などを合わせて処方されることもあります。

内服薬は、主に消炎鎮痛剤が用いられます。

これは炎症している箇所の炎症を抑えます。

そして神経痛を和らげるためにビタミンB12製剤も処方されます。

筋肉の張りを改善するために筋弛緩剤が処方されることもあります。

外用薬や内服薬や坐薬と併用してもちいられることも多いです。

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